EDとはどのような状態を指す?
EDは「性行為の際に十分な勃起が得られない、または維持できないために、満足できる性行為が行えない」症状です。勃起機能の低下を意味する「Erectile Dysfunction」の略で、勃起不全とも呼びます。
意欲はあってもほぼ勃起が起こらない状態から、性行為時に多少の不安があるくらい、まで程度は様々ですが、本人が自身の勃起状態に満足が持てない場合は治療の対象になり得ます。

EDは意外に身近な病気
日本国内のED患者数は、中程度から重症まで合わせると推計1,130万人。40歳以上の男性の3人に1人は何らかのEDの症状を持つと言われています。高齢化、生活習慣病の多様化やストレスの増大などのほか、症状としてのEDの認知が広がっていることで、治療の対象となる人は少なくありません。

EDの症状の程度は?
問診の際に勃起障害の程度を判定するために、次のようなスコアを参照して診断します。
・勃起の硬さスコア(日本語版EHS)
・国際勃起機能評価スコア(IIEF5スコア)
EDが起こる原因は?
勃起は、性的刺激によって陰茎内に大量の血液が送り込まれ、性行為が終わるまでその血液が戻らないよう溜め込まれることで成立します。このため神経や血管が健康な状態にあることが必要ですが、これらの機能が妨げられていることがEDの原因となり、その状態によって大きく3つに分けられます。
| 器質性ED | 生活習慣病や加齢などによる陰茎海綿体の血管の硬化によって、性行為に十分な血液が流れないことで起こります。脳から性的刺激が末梢神経にうまく伝わらないことも原因のひとつとなり得ます。 |
| 心因性ED | 過去の体験のトラウマなど性行為に対する不安、またはうつ状態などによって勃起が得られなくなることがあります。ほかにLOH症候群(男性加齢性機能低下症候群)によるEDは、加齢による男性ホルモンの分泌低下に伴って起こるEDです。 |
| 混合性ED | 器質性EDと心因性EDの複数の要因をもつものです。これら3つの他に、特定の薬剤の副作用としてEDが現れる(薬剤性ED)ことがあります。 |
これら3つの他に、特定の薬剤の副作用としてEDが現れる(薬剤性ED)ことがあります。
ED治療薬の比較
EDの治療は「PDE5阻害薬」と呼ばれる薬の内服が一般的です。PDE5とは勃起を萎えさせる酵素のひとつです。ED治療薬は、萎えさせようとするはたらきを阻害することで、十分な勃起が得ようとするものです。現在日本では3つの薬が承認されており、後発薬(ジェネリック)も発売され、手が届きやすくなりました。
| バイアグラ | レビトラ | シアリス | |
| 発売年 | 1999年 | 2004年 | 2007年 |
| 効くまで | 1時間 | 30分以内 | 1時間強 |
| 効く時間 | 4時間 | 8時間 | 36時間 |
| 食事の影響 | 受ける | 受けにくい | 受けない |
| ジェネリック | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル |
*バイアグラは50mg、レビトラ・シアリスは20mgの場合
ED治療薬による対症療法のほかに、EDを生じさせている基礎疾患の治療も行われます。このほか、原因が心因性の場合はカウンセリングなど、LOH症候群では男性ホルモン剤による治療、薬剤性EDでは薬剤の変更を行ないます。また、重度の器質性EDの場合は外科的な処置、陰茎自体に問題がある場合はインプラントなどの方法がとられることがあります。
ED治療薬が
いずれにせよED治療は内服薬での治療が一般的です。各々目的は同じですが、使い心地は多少異なりますので、どの薬が一番ご自身に合いそうかを医師と相談して下さい。
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生活習慣病や加齢などによる陰茎海綿体の血管の硬化によって、性行為に十分な血液が流れないことで起こります。脳から性的刺激が末梢神経にうまく伝わらないことも原因のひとつとなり得ます。
過去の体験のトラウマなど性行為に対する不安、またはうつ状態などによって勃起が得られなくなることがあります。ほかにLOH症候群(男性加齢性機能低下症候群)によるEDは、加齢による男性ホルモンの分泌低下に伴って起こるEDです。
器質性EDと心因性EDの複数の要因をもつものです。これら3つの他に、特定の薬剤の副作用としてEDが現れる(薬剤性ED)ことがあります。

